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いじめられる人の特徴|中学生に見られる傾向7選と親の対応

中学生のいじめは、外見や性格だけで判断できません。一方で、孤立や登校しぶり、SNS上の変化など、早期発見につながるサインはあります。

本記事では、いじめられる人に見られやすい傾向を整理し、確認すべきポイント、家庭での声かけ、学校への相談手順や窓口について解説します。

いじめられる人の特徴|中学生に見られる傾向7選

ここで紹介する7つの傾向に当てはまっていても、いじめられると決まるわけではありません。本人の欠点やいじめの原因ではなく、周囲から目をつけられるきっかけにされることがある特徴です。

いじめの責任は、嫌がらせや排除などの行為をした側にあります。「本人が変われば解決する」と考えず、苦痛の有無を確認し、安全確保を優先しましょう。

自己主張や断ることが苦手

嫌なことをされても言い返せなかったり、頼まれごとを断れなかったりする中学生は、周囲から「強く出ても反撃されにくい」と誤って見られることがあります。相手を傷つけたくない、場の雰囲気を壊したくない、怖くて言葉が出ないなど、理由はさまざまです。

具体的には、次のような状態が続いていないか確認しましょう。

  • 嫌なあだ名で呼ばれても笑ってごまかす
  • 私物を使われたり隠されたりしても抗議できない
  • 友人の無理な頼みや役割をいつも引き受ける
  • 部活動で先輩からの指示を断れず我慢している
  • グループ内で都合よく扱われている

中学生は、友人関係だけでなく部活動の先輩後輩関係でも、立場の差から断りづらくなります。本人が「嫌だ」と言えないことは、嫌がらせを受けてもよい理由にはなりません。

保護者が「もっと強く言い返して」「嫌なら断ればいい」と求めると、子どもは自分を責めやすくなります。「断れないほど困っていたのだね」「あなたが悪いわけではない」と受け止め、大人が学校への相談や安全確保を担いましょう。

必要に応じて、「今は答えたくない」「それはやめて」といった短い言葉を一緒に考える方法もあります。ただし、言い返すことを本人の義務にしてはいけません。

周囲と違う部分が目立っている

服装や持ち物、話し方、髪型、趣味、運動の得意不得意など、周囲と異なる部分がからかいの口実にされることがあります。発達特性や性的指向など、本人の属性を理由に排除されるケースもあります。

しかし、違いそのものに問題があるわけではありません。「みんなと同じであるべき」と決めつけて、からかう、無視する、仲間外れにするといった行為が問題です。

家庭では、次のような変化に注目しましょう。

  • 服や持ち物を急に隠す、買い替えたがる
  • 好きだった趣味や話題を避ける
  • 外見や話し方を過度に気にする
  • 「自分は普通じゃないから」と繰り返し話す
  • 学校で自分の特徴を知られることを強く恐れる

本人に「目立たないようにしなさい」「周りに合わせなさい」と伝えると、いじめを避ける責任まで負わせることになります。まずは「その違いは悪いことではない」と伝え、何をされたのか、どの場面で苦痛を感じたのかを確認しましょう。

本人の個性を変えるより、安心して過ごせる環境を大人が整えることを優先します。

集団の中で孤立しやすい

クラス替えや席替え、部活動のメンバー変更をきっかけに、友人関係が変わることがあります。新しいグループに入りにくい状態が続くと、昼休みや移動教室で一人になる時間が増えることもあります。

仲間外れや無視は、会話に入れてもらえない、遊びや昼食に誘われない、グループ内で自分だけ情報を知らされないといった形でも起こります。表面上は「一人で過ごしているだけ」に見えても、本人が苦痛を感じている場合があります。

空気を読むことや会話に加わることが苦手でも、それはいじめを受けてよい理由にはなりません。性格や得意不得意を、いじめの原因として本人に負わせないようにしましょう。

一人で過ごす時間が増えたときは、「友達はいないの?」と責めず、「最近は休み時間をどう過ごしているの?」と尋ねます。一人でいたいのか、仲間に入りたいのに入れないのかを確認し、本人の希望に沿って支えましょう。

おとなしく、反応が控えめ

人前で目線を合わせにくい、笑顔が少ない、返事や話し方がゆっくりしているなど、反応が控えめな中学生もいます。緊張すると髪を触る、視線を頻繁に動かす、声が小さくなるといった様子が見られることもあります。

これらは性格や緊張、相手との関係性によって表れるもので、本人の優劣を示すものではありません。反応が小さいために、周囲から「何を言っても言い返さない」「嫌がっていない」と誤解されることがあります。

黙っていることは同意ではありません。怖くて反応できない、返し方が分からない、さらに目立つのが不安といった事情が隠れている場合もあります。

外見的な印象だけで「いじめられやすい」と決めつけたり、「もっと強く言い返しなさい」と求めたりするのは避けましょう。「最近、学校で疲れることはある?」「話しにくいことがあれば、いつでも聞くよ」と声をかけ、普段との違いや本人の気持ちを確認します。

人間関係のストレスに敏感

友人の返事が遅い、グループの会話が自分の前で止まる、親しかった相手の態度が変わったなど、周囲の変化を強く気にする中学生もいます。帰宅後にひどく疲れている、翌日の予定を何度も確認する、友人の言葉を思い出して落ち込むといった様子が見られることもあります。

実際に無視や仲間外れが起きている場合、本人が「気にしすぎている」ように見えても、強いストレスを受けている可能性があります。一方で、性格的に不安を感じやすい場合もあるため、様子だけでいじめと断定することはできません。

「考えすぎだよ」「気にしなければいい」と片づけず、「何があったのか」「いつからつらいと感じているのか」を本人のペースで聞きましょう。話すことが負担そうなら、詳しい説明を無理に求める必要はありません。

家庭で休む時間を確保し、必要に応じて学校以外の居場所も検討します。習い事や親族の家が支えになることもありますが、新しい集団への参加は本人が安心できるかを確かめながら進めましょう。

助けを求めることが苦手

いじめを受けていても、「大丈夫」と答えて相談できない中学生はいます。恥ずかしさや報復への不安、友人関係を壊したくない気持ち、親や先生に心配をかけたくない思いなどが背景にあります。

いじめられていることを自分のせいだと思い込み、被害を隠そうとする場合もあります。しかし、相談できないことや、うまく助けを求められないことは本人の落ち度ではありません。

保護者は、次のような言葉を伝えましょう。

  • 「話したくなったら、いつでも聞くよ」
  • 「何があってもあなたの味方だよ」
  • 「あなたが悪いと決めつけなくていいよ」
  • 「今すぐ話せなくても大丈夫だよ」

話したくないときは無理に聞き出さず、普段どおりに接しながら変化を見守ります。ただし、暴力、脅迫、自傷行為の兆候、個人情報の拡散など危険がある場合は、本人の同意を待ち続けず、安全確保を優先して大人や専門機関が動きましょう。

SNSやオンラインのつながりで孤立している

中学生のいじめは、教室だけでなくSNSやオンラインゲーム、メッセージアプリでも起こります。グループから外す、複数人のトークで悪口を書く、返信を意図的に無視する、写真や個人情報を無断で拡散するといった行為です。

ネット上のやり取りは周囲から見えにくく、短時間で多くの人に広がります。「冗談のつもり」「直接何かしたわけではない」と言われても、本人が苦痛を感じ、学校生活や心身に影響しているなら相談の対象です。

被害が疑われるときは、感情的に返信したり、すぐ投稿を削除したりする前に、次の情報を保存しましょう。

  • 投稿やメッセージのスクリーンショット
  • 投稿日時や送受信日時
  • 相手のアカウント名、プロフィール、グループ名
  • 拡散された画像・動画・個人情報の内容
  • いつ、誰から、どのような影響を受けたか

画面全体が分かる形で保存し、必要に応じてURLや投稿者情報も控えます。その後、サービス運営会社への通報や、学校・警察などへの相談を検討しましょう。

アカウントのブロックや公開範囲の変更も選択肢ですが、子どもだけで対応させず、大人が安全な方法を一緒に考えます。

特徴が当てはまるだけでいじめと判断しないための確認ポイント

性格がおとなしい、周囲と違う、SNSで孤立しているといった特徴だけで、いじめと決めつけることはできません。特徴と、実際に行われた行為は分けて考えましょう。

本人がどのように感じているかを中心に、何をされたのか、いつからどの程度続いているのかを整理します。確証がない段階でも相談できるため、被害が深刻になるまで待たず、安全を第一に学校や相談機関へつなぎましょう。

からかい・仲間外れ・SNS被害の具体例を確認する

特徴だけではいじめと判断できませんが、本人が嫌がっている行為や、繰り返される行為を「よくある冗談」と見過ごすのも適切ではありません。いつ・どこで・誰から・何をされたのかを確認しましょう。

学校生活では、次のような行為が確認対象になります。

  • 悪口やあだ名、からかいを繰り返す
  • 話しかけても無視する、集団から外す
  • 机や持ち物を隠す、壊す、落書きする
  • 押す、蹴る、物をぶつける
  • 金品やゲーム内アイテムなどを要求する
  • グループ活動や昼食、遊びの場から意図的に排除する

SNSやオンライン上では、本人になりすまして投稿する、写真や動画を無断で共有する、嫌な内容を複数人のグループへ拡散するといった被害があります。参加を求めたグループで発言を無視したり、一斉に退会させたりするケースも確認が必要です。

部活動での過度な雑用の押し付け、人格を否定する暴言、練習や試合から意図的に外す行為も、通常の指導や役割分担とは区別して考えます。

行為の理由を本人の性格や服装、周囲へのなじみ方に求めないことが大切です。本人が困っている事実と安全を基準に、対応の必要性を判断しましょう。

頻度・継続性・苦痛・力関係の4軸で見る

いじめかどうかを考えるときは、見た目の印象や一度の出来事だけでなく、次の4つの軸から状況を整理します。

確認する軸見るポイント
頻度行為は一度だけか、何度も繰り返されているか
継続性今後も続きそうか、終わったように見えて再発していないか
苦痛本人が怖い、つらい、恥ずかしいと感じているか
力関係人数、立場、身体的な強さ、情報を広げる力に差があるか

1回のからかいに見えても、その後に同じ相手から続いているなら、継続性のある問題として確認が必要です。「大丈夫」と話していても、登校できない、特定の相手を怖がる、眠れないなどの変化があれば、苦痛が隠れていることがあります。

部活動の先輩後輩関係やグループ内の立場、SNSでの拡散力によって、嫌なことを断ったり逃げたりしにくい状況も生じます。「一度だけ」「冗談と言っている」と片づけず、本人の感じ方と力関係を確認しましょう。

中学生の女子・男子に見られるいじめのサインを場面別に確認

いじめのサインは、女子と男子で一律に分けられるものではありません。教室、友人関係、部活動、SNSなど、場面ごとに変化を捉えましょう。

1つの変化だけで判断せず、複数の変化が続いていないかを見ます。クラス替えの後や、休日・長期休暇が終わる時期は、普段より丁寧に様子を確認するとよいでしょう。

教室や友人関係で見られる変化

教室や友人関係では、暴力だけでなく、仲間外れや無視、陰口などの関係性の変化としていじめが表れることがあります。性別によるイメージで判断せず、誰と、いつ、どこで、何が起きているかを確認しましょう。

女子では、グループから一人だけ外される、会話に入れてもらえない、本人のいない場所で悪口を言われるといった形が見られることがあります。男子では、からかいを繰り返される、乱暴に肩を押される、椅子や持ち物を乱雑に扱われるといった行為が見られる場合があります。

男女を問わず、次の変化に注目しましょう。

  • 昼食を一人で食べるようになった
  • 以前話していた友達の話をしなくなった
  • 休み時間や放課後に一人で過ごすことが増えた
  • 帰宅後に機嫌が急に悪くなる、または口数が減る
  • クラス替えや席替えの後から学校の話を避ける

一つの変化だけで断定する必要はありません。ただし、複数の変化が重なるときは、本人の苦痛を確認してみましょう。

部活動や先輩後輩関係で見られる変化

部活動のある日だけ腹痛や頭痛を訴える、出発前に強く嫌がる、帰宅時間が極端に遅くなるといった変化があるときは、部内の状況を確認しましょう。練習自体の厳しさと、特定の相手からの不当な扱いを分けて考えることが必要です。

部内では、次のような行為が続いていないかを確認します。

  • 飲み物や用具の購入など、無理な要求をされる
  • 必要以上の雑用を一人だけ押し付けられる
  • 「下手」「役に立たない」などの暴言を繰り返される
  • 練習や試合、部内の連絡から意図的に外される
  • 失敗を理由に長時間立たせるなど、過度な罰を受ける
  • 相談したことを理由にさらに責められる

先輩に意見を言いにくい、顧問に知られると仕返しが怖いという思いから、本人が相談しないこともあります。

「部活を辞めたい」と言われたときは、根性や責任感の問題と決めつけず、安全を確認しましょう。顧問に相談しにくい場合は、担任や学年主任など別の窓口を選べます。部活動を続けることより、本人が安心して過ごせることを優先します。

SNSやスマートフォンの使い方に表れる変化

SNSやメッセージアプリを通じたいじめは家庭から見えにくいため、普段との違いを確認しましょう。通知を過剰に気にする、スマートフォンを急に隠す、夜遅くまで画面を確認するといった様子が手がかりになります。

次のような行動も、ネット上のトラブルを示すことがあります。

  • グループから外された後、アカウントを削除する
  • 急にプロフィールや投稿をすべて消す
  • 知らない相手からの連絡を怖がる
  • 通知音が鳴るたびに不安そうな表情をする
  • スマートフォンを手放せず、睡眠時間が短くなる

スマートフォンを急に取り上げると、本人が相談しにくくなったり、証拠を確認できなくなったりします。まずは責めずに話を聞き、本人の同意を得ながら投稿画面やメッセージ、アカウント名、日時を保存しましょう。

脅迫や個人情報の拡散、性的な画像の要求などがある場合は、本人だけで対応させてはいけません。安全を確保したうえで、学校、警察、専門の相談窓口へつなぎましょう。

家庭で気づきやすいいじめのサインと最初の声かけ

中学生のいじめは、本人が話せず、家庭での小さな変化から気づくことがあります。ただし、一つのサインだけで断定せず、普段との違いが続いているかを見守りましょう。

話したくない様子なら無理に聞き出さず、「いつでも話していい」と伝えます。話してくれた内容は、日時や場所、相手の言葉、本人の気持ちを分けて記録しておくと、学校への相談に役立ちます。

登校・生活・心身に表れるサイン

いじめのサインは、学校での出来事を直接話すとは限りません。登校の仕方、家庭での過ごし方、体調などに変化として表れることがあります。

  • 「学校に行きたくない」「転校したい」と言う
  • 一人で登校する、帰宅時に遠回りする、朝に強く抵抗する
  • 友達の話をしなくなり、以前遊んでいた相手とも会わなくなる
  • 成績が下がる、集中できない
  • 睡眠や食欲が変化する、腹痛・頭痛・吐き気を訴える
  • 入浴を嫌がる、裸になることを避ける
  • ゲームや動画に長時間没頭し、現実の話題を避ける
  • メールやSNSを過剰に確認する
  • 保護者が学校へ行くことを嫌がる

これらは、勉強や部活動、思春期の心身の変化でも起こります。「いつから」「どの場面で」「どの程度続いているか」を確認しましょう。

「いじめのこと?」と決めつけるより、「最近、朝がつらそうに見えるけれど、何か心配なことはある?」のように、見た事実をもとに尋ねると話しやすくなります。

最初にかけたい言葉と避けたい言葉

子どもが話し始めたときは、原因を急いで確かめるより、まず安心を伝えましょう。話が整理されていなくても、途中で否定せずに受け止めます。

次のような言葉が役立ちます。

  • 「話してくれてありがとう」
  • 「それはつらかったね」
  • 「あなたは悪くないよ」
  • 「一人で抱えなくていいよ」
  • 「どうしたら安心できるか、一緒に考えよう」
  • 「話せる範囲で大丈夫だよ」

一方で、次の言葉は避けましょう。

  • 「なぜ言い返さないの?」
  • 「あなたにも悪いところがあるのでは?」
  • 「気にしすぎだよ」
  • 「誰にでもあること」
  • 「明日から普通に行けばいい」
  • 「今すぐ、全部話しなさい」

保護者が相手の名前や経緯を一度に問い詰めると、子どもが「話すと大ごとになる」と感じることがあります。緊急性がなければ、話す内容とタイミングを尊重しましょう。

ただし、暴力や脅迫、自傷の心配がある場合は、本人の負担に配慮しながら早めに学校や専門機関へ相談します。

子どもが否定したり話したがらなかったりする場合

いじめが疑われても、「いじめられているの?」と何度も聞くと、責められているように感じて口を閉ざすことがあります。心配をかけたくない、恥ずかしい、仕返しが怖いといった理由から、事実を否定する場合もあります。

まずは、「今は話したくないんだね。いつでも聞くよ」「話してくれなくても、あなたの味方だからね」と伝えましょう。向かい合うと緊張しやすい子には、食事中や車での移動中、散歩中などに自然に様子を確認する方法もあります。

「最近、朝はつらくない?」「教室で気になることはある?」のように、いじめという言葉を使わず生活の変化から尋ねると話しやすいことがあります。一度で答えを得ようとせず、短い声かけを重ねましょう。

ただし、暴力や脅迫、深刻な登校拒否、自傷行為、希死念慮をうかがわせる発言がある場合は、対応を先延ばしにできません。安全を確保したうえで、学校や医療機関、相談窓口へ速やかにつなぎます。

聞き取り後に記録しておく内容

子どもが話してくれた内容は、記憶が新しいうちに時系列で記録します。保護者の解釈を加えすぎず、本人の言葉に近い形で残しましょう。

  • いつ、どこで起きたか
  • 誰から、何をされたか、何と言われたか
  • その場にいた人、見ていた可能性のある人
  • 子どもの心身への影響や学校生活の変化
  • けが、衣服や持ち物の破損、金品の要求の有無

SNSやメッセージの被害は、投稿やアカウント名、日時が分かる画面を保存します。画像だけでなくURLや、やり取りの前後が分かる画面も残しておくと説明しやすくなります。

けががある場合は、本人の同意を得ながら写真を撮り、受診したときは診療記録や領収書も保管しましょう。学校へ相談した場合は、相談日時、相手の氏名や役職、伝えた内容、学校の説明、今後の対応予定も記録します。

記録は相手を追及するためだけでなく、状況の変化と学校の対応を正確に確認するために役立ちます。

いじめが疑われるときに保護者が取る対応手順

いじめが疑われるときは、原因究明や相手への抗議より、子どもの安全と心身の安定を優先します。登校や相手との対面を無理に求めず、必要に応じて休む選択肢も含めて考えましょう。

家庭だけで解決しようとせず、記録をもとに学校や外部の相談機関と情報を共有します。相手の子どもや保護者への直接連絡は、報復や事態の悪化につながるおそれがあるため、まず学校や相談窓口を通しましょう。

まず安全を確保し、学校以外の居場所をつくる

子どもが「学校へ行きたくない」と訴えている場合は、無理に登校させず、心身を休ませることを優先します。欠席を「逃げ」と捉えず、安全を守るための選択肢として認めましょう。

最初の居場所は家庭です。話したくないときに無理に聞き出さず、食事や睡眠を整え、普段どおり過ごせる時間をつくります。必要に応じて、次のような場所や人にも頼れます。

  • 信頼できる親族や友人の家庭
  • スクールカウンセラーや自治体の相談機関
  • 習い事、塾、フリースクールなどの学習・交流の場

新しい集団に入れば解決するとは限りません。本人が安心できるか、誰となら過ごせそうかを確認し、参加するかや開始時期を一緒に決めましょう。

担任・学年主任・管理職へ段階的に相談する

学校へ相談するときは、日時、場所、相手の言動、けがや欠席などの影響、本人の訴えを、推測と事実に分けて伝えましょう。SNSの投稿やメッセージは、削除される前に保存しておきます。

事実の報告に加えて、学校に求める対応も具体的に伝えます。

  • 休み時間や登下校時の見守りを増やす
  • 席や活動場所、通学経路を一時的に調整する
  • 相手との接触を避ける方法を検討する
  • SNS上の嫌がらせについて聞き取りや指導を行う
  • 相談後の報復や再被害を防ぐ

「調査してください」だけでなく、「いつまでに、誰が、どのような安全策を取るのか」「次回はいつ報告を受けられるのか」まで確認すると、対応状況を追いやすくなります。

学校には、いじめの相談を担任だけで抱え込まず、校内のいじめ対策組織で情報共有し、組織的に対応する役割があります。担任に相談しても改善しない場合は、学年主任、教頭・副校長、校長へ相談先を広げましょう。

学校が動かない・報復が心配な場合の相談先

学校への相談が進まない場合や、報復・再被害が心配な場合は、教育委員会、自治体のいじめ相談窓口、子どもや家庭を対象とした専門機関を利用しましょう。学校とのやり取りや被害の日時・内容を整理しておくと、状況を説明しやすくなります。

報復が不安なときは、子どもに「誰に、どこまで情報を伝えてよいか」を確認したうえで、学校に次の点を求めます。

  • 相談者や情報提供者を必要以上に明かさない
  • 登下校、教室、部活動で安全対策を取る
  • 相手との接触を避ける具体策を示す
  • 状況確認の担当者と連絡頻度を決める
  • 再び嫌がらせが起きた場合の連絡先を明確にする

命や身体に関わる危険がある場合は、本人の希望を尊重しながらも安全確保を優先します。深刻なけが、脅迫、金品の要求、性的な被害、犯罪の疑いがあるときは、医療機関や警察への相談も検討しましょう。

いじめが原因で不登校になった疑いがあるなど、重大な影響が出ている場合は、重大事態に該当する可能性があります。断定を待たず、教育委員会などに「安全確保と調査について相談したい」と伝えましょう。

登校しぶり・不登校・ネット被害がある場合

登校しぶりや不登校が見られるときは、「何としても学校へ行かせる」ことを優先しないようにしましょう。睡眠や食事を整え、暴力や脅迫から安全を確保したうえで、学習や今後の通い方を学校と相談します。

保健室や別室での学習、オンライン教材、教育支援センターなど、本人が利用できる方法もあります。新しい居場所や習い事を提案するときは、負担にならない範囲で進めましょう。

SNSやゲーム内で嫌がらせを受けている場合は、次の対応を取りましょう。

  • 投稿、メッセージ、相手のアカウント名、日時が分かる画面を保存する
  • パスワード変更や二段階認証でアカウントを保護する
  • サービス運営者の通報機能を利用する
  • 必要に応じて学校、警察、専門窓口へ相談する

不登校や心身の不調がいじめに起因する疑いがある場合は、学校だけでなく教育支援センター、児童精神科・心療内科、心理士や福祉機関にも相談しましょう。

中学生のいじめについて知っておきたい学校の対応と相談窓口

いじめ防止対策推進法では、一定の人的関係にある他の児童生徒から心理的または物理的な影響を受け、心身の苦痛を感じている行為をいじめと捉えます。「軽いからかい」「冗談のつもり」として放置せず、本人の苦痛と安全を伝えて相談しましょう。

緊急性が高い場合や学校の対応を待てない場合は、教育委員会や医療・心理・福祉機関など、外部の窓口にも早めにつなぎます。

法律上のいじめの考え方と学校の役割

いじめ防止対策推進法上のいじめには、仲間外れや無視、悪口、物を隠す行為、SNSでの中傷などが含まれます。行為をした側が「冗談だった」「悪気はなかった」と説明しても、受けた側が苦痛を感じていれば、いじめに当たり得ます。

重要なのは、いじめに当たるかをその場で断定することより、本人の苦痛と安全を確認することです。学校には、把握したいじめを担任だけで判断せず、校内のいじめ対策組織を通して組織的に対応する役割があります。

保護者は、次の情報を整理して伝えましょう。

  • いつ、どこで、誰から、何をされたのか
  • 本人がどのような苦痛や不安を感じているのか
  • 欠席、体調、成績、友人関係にどんな変化があるのか
  • メッセージや投稿、けが、持ち物の破損などの記録があるか

いじめが原因で不登校になった疑いがある場合や、心身に重大な被害が生じた疑いがある場合は、重大事態として扱われることがあります。原因が確定していなくても、「疑い」の段階で対象になり得ます。

学校への相談では、「子どもの安全確保と組織的な調査をお願いしたい」と具体的に伝えると、必要な対応を確認しやすくなります。危険が迫っているときは、学校との調整より安全確保や外部機関への連絡を優先しましょう。

利用を検討できる相談窓口

相談先は担任だけではありません。担任に話しにくい場合や対応に不安がある場合は、状況に応じて次の窓口を利用しましょう。

  • 担任・学年主任:起きたことや子どもの変化を伝え、学校の対応方針を確認します。
  • 養護教諭:保健室の先生です。心身の不調をきっかけに相談できることがあります。
  • 管理職:校長・副校長・教頭です。担任に相談しても改善しない場合や、緊急性が高い場合に相談します。
  • スクールカウンセラー:心理面の相談を受ける専門職です。子どもだけでなく、保護者が対応を相談できる場合もあります。

学校内で解決が進まないときは、教育委員会や自治体のいじめ相談窓口も利用できます。法務局の「こどもの人権110番」では、いじめや仲間外れなど、子どもの人権に関する相談を受け付けています。

夜間や休日は、文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」など、自治体や国の相談窓口を確認しましょう。今すぐ危険がある、暴力を受けているといった場合は、相談を待たず、家族や警察、医療機関へつなぎます。

まとめ|特徴ではなく本人の苦痛と安全を基準に対応しよう

「いじめられる人の特徴」に当てはまっていても、本人に責任があるわけではありません。おとなしい、周囲と違う、断るのが苦手といった点は、いじめを正当化する理由になりません。

気になるときは本人の性格を評価せず、何が起きているのかを確認しましょう。からかいや無視、仲間外れ、SNS上の悪口などの内容に加え、継続性、本人の苦痛、相手との力関係を整理します。

対応では、子どもを責めず、安全と安心を確保することを優先します。登校や部活動を無理に続けさせず、家庭や親族、相談機関など学校以外の居場所も検討しましょう。そのうえで、記録をもとに担任や養護教諭、管理職へ相談し、必要に応じて教育委員会や専門機関につなぎます。

学校に行けるかどうかだけでなく、本人が安全に過ごせているか、信頼できる大人とつながっているかを基準に、複数の選択肢を考えていきましょう。

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